スーパー南海地震とは? いつ?

地震

「スーパー南海地震」とは、西と東の巨大地震が連動して起きる地震です。
西の巨大地震である「南海トラフ巨大地震」と、東の巨大地震「相模トラフ巨大地震」がほぼ同時期に連動して発生し、超巨大地震の連発「スーパー南海地震」に発展する可能性が指摘されております。

その切迫を見て、いろいろなところで警鐘されています。

地震はなぜ起こるのか?なんで日本は多いのか?

地震はなぜ起こるのかを端的に言えば、地球の表面にあるプレートのずれが原因です。

地球の表面を覆う、厚さ数10~200kmの岩石でできた層のことをプレートといいます。
ちょうど日本には4つの大きなプレートがあります。
・北米プレート
・太平洋プレート
・フィリピン海プレート
・ユーラシアプレート
この4つのプレートがぶつかり合う位置に日本の国土があるので、地震が多く発生します。

2011年3月の東北沖地震(東日本大震災)は、国内観測史上最大規模であるM9.0の超巨大地震でした。
海側の太平洋プレートが陸側の北米プレートの下に沈み込む日本海溝付近が震源でした。
そして30メートル超の津波が東北沿岸を襲いました。

今この東北沖の海底ではプレートにかかる圧力が変化し、特にアウターライズ域を震源とする大地震とそれに伴う大津波も懸念されています。

また、日本にかかる4つのプレートにも変化がないと捉えることはできません。
これら大きなプレートの沈みこみや引っ張りのひずみが、活発な日本の地震活動期に繋がっていると思われます。

相模トラフ巨大地震とは

相模トラフは、「フィリピン海プレート」が「北米プレート」の下に沈み込んでいて、さらに東側の太平洋側から「太平洋プレート」が沈み込んでいる、複雑な地下構造です。

首都圏は、最も下に太平洋プレート、その上にフィリピン海プレート、さらにはその上に北米プレートが重なっています。
3 枚のプレートが重なり合うところは、地球上でここだけだと言われています。

このプレートのひずみは、M7.0規模の周期的な巨大地震となって現れております。

  • 1703年(元禄16年)の「元禄関東地震」
    震源域は、房総半島南~千葉県の野島崎付近にあたる相模トラフ沿いで、M7.9~8.5(推定)
  • 1923年(大正12年)「大正関東地震(関東大震災)」
    1923年(大正12年)9月1日午前11時58分に発生。
    M 7.9~8.3(推定)
    神奈川県から千葉県南部を中心に震度6強~7。
    死者・行方不明者は約10万5千人で、明治以降の日本の地震被害としては最大規模の被害。
    特に火災による死者は約9万2千人で焼死が圧倒的に多い。

立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏によれば

「2011年3月11日以降、北米プレートの摩擦が減った太平洋プレートは、従来の3~4 倍の年間30~40㎝速度で盛んに移動している。太平洋プレートは北米プレートだけでなく、フィリピン海プレートも圧縮している。最近、活動度が引き上げられた硫黄島は、西之島新島同様にフィリピン海プレートにあり、フィリピン海プレートの下に太平洋プレートが潜り込んでいる。この点では、伊豆諸島・小笠原諸島、マリアナ、グアムのいずれもが同じ状態にある。

また、太平洋プレートの移動速度が3~4倍と速くなったため、移動速度の遅いプレートとの間に正断層が生じ、地震や津波が発生するアウターライズ型地震も控えている。1896年の明治三陸地震に対して1933年の昭和三陸地震がアウターライズ型地震であった。2004年のスマトラ沖地震の時には、8年後の2012 年にアウターライズ型地震が発生している。東北地方太平洋地震は、まだ終了したわけではない。

「環太平洋文明研究 第1号 2017 年2月 巨大地震・大地震は突然に起きない」より

南海トラフ巨大地震とは

南海トラフとは、駿河湾から日向灘沖にかけての海底の溝状の地形を指します。
海側のフィリピン海プレートが陸側のユーラシアプレートの下に潜り込んでいいます。
通常1年あたり数センチの沈み込みがあります。
南海トラフ巨大地震は、陸側のプレートが引きずり込みに耐えられなくなり跳ね上がることで発生するします。

ここでは過去にたびたび大きな地震が発生しています。

立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏によれば

フィリピン海プレートは小さく、それ自体が積極的に動くよりも、太平洋プレートの動きに強く影響されている可能性が高い。2005年頃にはきわめて安定していた桜島は2011年に観測史上最大噴火回数を記録した。ユーラシアプレート上にあり盛んに活動している口永良部島、阿蘇山、霧島山(新燃岳)なども直接的にフィリピン海プレー トの圧縮受け、間接的に太平洋プレートの影響を受けている。

また、2016年に発生したトカラ列群発地震、熊本地震、阿蘇山の爆発的噴火、韓国 慶州-浦項の地震、鳥取県中部地震などは、それぞれ独立した別々のものではなく、共通した原因の異なった表現形態とみなすことができる。その背景には南海トラフ地震 (フィリピン-台湾-琉球諸島-南海トラフや富士山、箱根、首都圏直下地震が活動する「スーパー南海地震」) を引き起こすフィリピン海プレートの動き、さらにその背景に太平洋プレートの影響が考えられる。

1946年の南海地震の3年前には、鳥取地震が起きていた。東北地方太平洋地震の3年前には、2008 年岩手・宮城内陸地震が発生していた。さらに「南海トラフ地震は30年以内に 70%の可能性で発生する」と政府が発表してから、すでに15年以上が経っている。しかも、これは30年後に地震が起きるということではない。この30年以内には、今日も明日も含まれているのである。さらに、現在、琉球諸島、高知県、徳島県、和歌山県などでは、スーパー南海地震の前段階とみなされる地震がしばしば発生している。スーパー南海地震の発生まで、3~5 年という考えは根拠のない推定ではない

「環太平洋文明研究 第1号 2017 年2月 巨大地震・大地震は突然に起きない」より

スーパー南海地震はいつ?

2011年3月の東北沖地震M9.0が引き金となって、4つのプレートは互いに大きな影響が起きてきていると思われます。

いつ連鎖して、ひずみが暴発するのでしょうか。

立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏によれば

巨大地震の発生する前に、少なくとも3つの前兆現象がみとめられる。第1は、巨大地震 が発生する場所で、M3~ M5規模の地震が連続して発生する。第 2に、約2か月の空白期間が生じる。 そして、第3に、巨大地震が発生する3日~半日前に、M2程度の小さな地震が1回~数回生じる。 巨大地震はある日突然発生するのではなく、約2ヶ月前に始まっているといえる。

「11月に入り、巨大地震に直結する地震が頻繁に起きています」 こう語るのは、災害予測が専門で立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏だ。高橋氏によると、これまであまり地震が起きていない地域で不気味な揺れを観測しているという。

・11月20日 和歌山県南部 M4.0
・11月22日 静岡県西部 M2.8

「地震の規模(マグニチュード=M)は小さいですが、今まで動きのなかった場所での揺れは注意が必要です。これらは震源が浅く、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界付近で起きている。次に動く時には反動でプレートが大きく跳ね、巨大な南海トラフ地震につながりかねないんです」

 不気味な揺れが起きているのは、中部、近畿地方だけではない。千葉県北西部や房総半島南部でも、M4程度の地震が続発しているのだ。

 「千葉での地震は、フィリピン海プレートと北米プレートの境界付近で起きています。相模トラフのある場所です。相模トラフ地震が起きれば、首都圏でも大きな被害が出るでしょう。私は南海トラフと相模トラフが同時に動くことを『スーパー南海地震』と呼んでいますが、その発生の危険性が高まっているんです

 高橋氏によると、巨大地震発生までには次のようなプロセスが想定される。

1 予兆となる地震(前震)が起きる。
2 約60~70日間の静穏期。
3 前震と同じ場所で小規模地震。
4 約半日から3日後に巨大地震発生。

 「つまり、’23年1月末から2月にかけ注意が必要です。阪神・淡路大震災も同じパターンで起きましたが、M8.5以上の巨大地震になる可能性があります」

FRIDAY」2022年12月16日号より

後発地震発生の確率

東北大学災害科学国際研究所の福島洋准教授、京都大学防災研究所の西川友章助教、東京大学地震研究所の加納靖之准教授からなる研究チームは、想定震源域全域の半分程度を破壊するような巨大地震が発生した後、もう一つの巨大地震(後発地震)が続いて発生する確率を、世界の地震統計データおよび過去の南海トラフ地震発生履歴に基づいて、経過時間ごとに算出しました。
その結果、例えば 1 週間以内に後発地震が発生する確率は、それぞれ約 2%〜77%(平時の約 100〜3,600 倍)となりました。
本研究は、後発地震の発生確率には大きな不確実性が伴うことを定量的に示すとともに、南海トラフ地域は世界の他地域と比べて巨大地震の連続発生確率が大きい可能性があることを示しました。
本研究成果は、2023 年 1 月 10 日 19 時(日本時間)に Scientific Reports 誌に掲載されました。

2023年1月11日 東北大学 プレスリリースより

まとめ

南海トラフ沈み込み帯で発生する南海トラフ地震は、首都圏直下地震をのような巨大地震を、連鎖的に引き起こす可能性が高く、その時は非常に切迫しています。

事前にできる心構えをしておきましょう。


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